顎関節症は何もしなくても自然に治る??

  • 2018.03.12 Monday
  • 11:31
昨日は、私が大学卒後に在籍していた、朝日大学口腔外科の同門会がありました。

お世話になった教授が退職されたり、先生方の異動があったり、懐かしい顔、ニューフェースなど色々でしたが、それぞれが頑張っているのも知ることができ、大変刺激を受けましたし、かわいがっていただいた先生方と、久しぶりに飲みに行ったりして、とっても楽しかったです!
10年近く経っているのに、同じメンバーで飲んでると、昔と変わらず、若返った気分になるので、不思議なものですね。


さて、これから紹介する論文は、当院がおこなっている噛み合わせ治療は、詐欺行為だとネットに書き込みをした、桜桃歯科の上田院長を相手取った裁判で、上田側が証拠として、提示してきた論文です。

原文はこちら

Natural course of temporomandibular disorders with low pain-related impairment: 1 2-to-3-year follow-up study

軽度の疼痛障害を伴う顎関節症の自然経過:2から3年の経過観察についての研究

というタイトルの論文で、

以下がこの論文の抄録を訳したものです。


個別に軽度の疼痛障害を伴う顎関節症と診断された患者の自然経過について記述する。 2009年にイタリアのタドヴァ大学の顎関節症クリニックを受診した患者の中で(i)顎関節症の研究診断基準(RDC/TMJ)で脅瓦遼性疼痛スケール(GCPS)でグレード0〜1であり、(ii)初診時に病状や症状について説明を受け、症状の自己管理の仕方について指示を受けており(iii)最終の受診からクリニックを受診しておらず、(vi)同住所に連絡が取れた患者を、2011年の9月から12月に追跡調査のために受診してもらった。条件を満たす86名のうち69名の患者(79%女性;平均47.4±11.3歳;26‐77歳)が研究対象となった。初診時からの時間経過は23から36か月だった。追跡調査では、筋障害のある患者は68.1%から23.1%に減少した;復位性円板前方転位の患者率は変わらなかった(52.1%)。一方、5.7%の開口制限を伴う非復位性円板前方転位だった患者には開口制限は見受けられなかった。他の関節障害と関連があると診断されたのは、関節痛では30.4%から14.4%に減少し、骨関節炎/変形性関節症が27.5%から24.6%に減少した。軽度の疼痛障害を伴う顎関節症患者の2〜3年後の単回検診の評価で、自然経過は概ね良好だった。

というものです。

より簡単に言うと

顎関節症の痛みの程度や、日常生活などへの影響、痛みの継続日数などのアンケートに答えてもらって、軽度だと診断された人が、何の治療もしない状態で、2〜3年後にどう変化したのか調査したという論文です。

最初に受診した時に顔面筋肉の痛みがあった人は69人中、47人(68.1%)だったのが、
2〜3年後は69人中16人(23.1%)に減った。

顎関節の音がする人は69人中36人いて、2〜3年後も変わらず、36人いた。

口が開かない人は69人中4人いたが、2〜3年後には口は開くようになっていた。

という内容です。ただし、色々な都合で、受診せず、この調査に参加しなかったうちの1人は、顎関節症状に関連した、緊張性頭痛のため鎮痛薬を使用していると語り、もう一人の患者は彼女の痛みがひどくなったため、他の治療法を求めて、開業医に行かざるを得なくなったと言っていた。

とも書かれていました。

さて、この論文から、顎関節症というのは、ほっとけば治るので、治療をする必要はない!と結論付けれますか?

元々痛みがあった人で2、3年経っても痛みが消えていない人は、34%いたんですよね。
この調査に参加しなかったけれども、症状が悪化しているという人もいました。
しかも、この調査対象は、元々痛みが軽度の顎関節症患者に限って統計を取っています。

顎関節症で、痛みが続く人は、大多数ではないかもしれないけれど、少なからずいるわけで、そういう患者さんを治療して改善させていることは、詐欺行為でしょうか?

そんなことを言ったら、奇病になる人は、とてもわずかなので、治療法を研究する必要はないと言っているのと同じになりませんか?

目の前に、たった一人でも、痛みと戦っている人がいるのであれば、何とか助けてあげたいと思うのが、私の考えですし、医療を志している人なら、至極当然なはず。

同じ状況の患者さんなんて、絶対いないのですから、お一人お一人の症状や、バックグラウンドをしっかりお聞きして、精密な検査をして、どんな治療法があるのか、時間を取って説明して、患者さんが何を望まれるのか、本人に選択していただいています。

痛みの程度が軽かったり、痛みが出てから日が浅かったり、明らかに原因となる良くない癖を続けているような方には、その癖をやめて、様子を見るだけでいいかもしれないけれども、痛みがひどくなったり、痛みが続くようなら、何らかの治療を受けた方がいいし、症状を改善させるどんな治療方法があるのかを、保険のきく範囲内のやり方も含めてお話しします。
もう何年も痛みが続いていて、食事をするのが辛い、とおっしゃる方に、ほっとけば治るはずですから、様子を見ましょうと言うのは残酷です。

魔法使いではないので、これをすれば、100%必ず治るなんてことは言いませんが、私がこれが最善のやり方だと納得できて、学んできた知識、今も学び続けている経験を総動員して、治療に当たらせていただくことは、お約束します。

これについて、やましい事は一切ありません!

ちょっと話は変わって、
ニューロマスキュラースポーツガードを入れさせていただいた、ジョッキーの小牧太さんから、スポーツガードを入れてから、調子が良くて、2回すぐに勝ったとご連絡をいただきました。私もとっても嬉しいです!
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