第15回国際顎頭蓋機能学会日本部会

  • 2017.11.27 Monday
  • 12:03
昨日は福岡で開催された「第15回国際顎頭蓋機能学会日本部会 〜日常臨床における筋肉位の探求〜」に出席し、矯正分野での口演もさせていただきました。

発表
シンポジウム

よくわからないかもしれませんが、右から2番目が私です。。矯正分野での発表者が一堂に会して、質疑応答をしています。

この国際顎頭蓋機能学会というのは、ニューロマスキュラーのコンセプトで診療をしている歯科関係者の学会です。

ニューロマスキュラーとは、簡単に言えば、顎の筋肉が、一番最適な動きができるような、顎の位置で咬み合わせを作ることをコンセプトにしているやり方です。それには、TENSといって、低周波の電気刺激を咀嚼筋群に与える装置と、K7という下顎運動や筋電図を計測できる機械を使うのが基本です。

日帰りだったので、時間に追われてばかりで、あまりゆっくりできなかったですが、志を同じくしている先生方の発表を拝見したり、近況を報告し合うのは、楽しく、刺激になりましたし、さらに自分の診療の精度をあげていきたいと思いを新たにすることができました。

私の口演では、ニューロマスキュラー治療をしなくてはいけないような症状が出てしまう、根本原因にアプローチすることの重要性を強調してお話ししました。

以下が抜粋です。用語が専門家向けなので、ところどころ解説を入れますが、分かりにくかったらごめんなさい。。。


根本原因として考えられるのは、まず、悪習癖(態癖)です。これにはTCH(Tooth Contact Habit、上下の歯がいつも接触している状態)があり、噛みしめてしまう背景には心因的なものもあると思います。

また、口呼吸、口唇や頬を巻き込む癖、正しくない舌癖、逆嚥下、うつぶせ寝、頬杖などもあります。

さらに、咬合高径が低くなる(本来あるべき咬み合わせより、顎を余計に閉じなくてはいけない状態。究極の例が歯が1本もない状態)要素としては、歯冠崩壊、著しい咬耗、欠損歯、高度歯周病などがあります。
これらの背景には、清掃不良と栄養不足があると考えられます。

他に、不良補綴物(ふさわしくない被せ物など)などの医原性のものがあると思います。他院でインプラント治療をしてから顎の調子が悪いとお越しになる方のインプラント補綴は、かなり低く作ってあることが多々あります。閉口筋群の過度な収縮が生じて、それが続くことにより、開口障害になってしまった症例も見受けます。

態癖がニューロマスキュラーポジションからの逸脱になる流れとしては、

例えば、口呼吸により、頬筋の過緊張が生じて、上顎のアーチが狭窄します、そうすると、下顎は後退した位置に押し込められてしまいます。

あるいは、低位舌(舌が上顎についていない状態)により、いつも上下の臼歯部間(奥歯の間)に舌が介在することで、臼歯部の圧下(奥歯の沈み込み)が生じると、垂直的顎間距離の減少から過蓋咬合(深い咬み合わせ)につながります。

小児期から、これらの原因を取り除くことで、綺麗な歯並びを作り、よりかっこいい、可愛いお顔へ成長し、気道の改善もされるので、しいては肉体的にも、精神的にも健康増進につながると思われます。

無意識下の態癖の除去には筋機能矯正装置(当院ではマイオブレイスという装置がそれに当たります)が有用です。

myobrace-cross


発表してきた症例のひとつです。
左上の前歯と左下の前歯(画面では右です)が受け口になってしまっているお子さんでした。上下の歯の真ん中がかなりずれていましたが、マイオブレイスを6か月使用してもらうことで、受け口の咬み合わせが治り、上下の歯の真ん中もだいぶ近くなりました。



正しい舌のポジションがどこなのかということだけでも、知らない方はたくさんいらっしゃいます。
この知識が広く浸透してくれたらと思いながら、日々診療しています。
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