ニューロマスキュラーの講習会

  • 2017.09.27 Wednesday
  • 18:02
9月23、24日は、東京であった、アメリカのラスベガスから来日してくださった、チャン先生の講習会「最新の生理学的咬合を理解する〜経験による咬合から根拠に基づいた咬合へ〜」に出席してきました。

10年前、歯科大を卒業してすぐに院長とチャン先生の講習を受けて、あっという間に月日が経ちました。
来日するたびに、たくさんの刺激をくださいます。
今回は懇親会で、隣に座らせていただき、チャン先生の生い立ち、奥様とのなれそめ、ニューロマスキュラーとの出会いと発展にいたるまでを色々詳しく教えてくださって、とっても楽しい時間を過ごせました。先生の真面目で、楽しく、真摯な人柄に触れることができて、大いに笑い、考えさせられました。

また、同じく、日本でニューロマスキュラー治療をする他の歯科医師の先生方ともお互いに刺激しあえる、大変、有意義な講習会でした。

29.9.24

アメリカでのニューロマスキュラーの歴史は45年ほど。
ニューロマスキュラー治療するのに欠かせない、低周波治療器のマイオモニタ−と下顎運動測定器(現在はK7)をバーナード・ジャンケルソン先生がマイオトロニクス社と開発したのが起こりです。
日本の先進的な歯科医の先生方が、28年ほど前にバーナード先生の息子のロバート先生を日本で講演して頂けるようにお招きして、日本でもニューロマスキュラーコンセプトが知られるようになりました。

真実な理論と、確かな効果があっても、新しい考えというのは、すぐに受け入れてもらえるものではありません。

例えば、オールオン4というインプラントのやり方。
全く歯のない人に、骨の残りやすい前歯部の骨に斜めにインプラントを4本埋入して、全顎補綴するもので、総入れ歯しかなかったことに比べると、快適な、画期的な治療です。今は世界中でこの治療がなされていますし、もちろん当院でも患者さんに大変喜んでいただいています。また、以前は一社のみだったのが、多くのインプラントメーカーがこのやり方に対応できる種類のインプラントを販売しています。

それでも、このやり方を開発したポルトガルのポール・マロ先生は、始め、インプラントを斜めに入れるなんて、非倫理的な治療をしている!と、非難されて、なんと、歯科医師免許をはく奪されたのです。マロ先生は仕方なく、国外で治療を続け、成果をあげて、国内でも認められるようになり、戻ってくることができました。

激しいですよねぇー

医学の進歩というのは、そんなものです。今の常識は、以前の非常識です。逆に以前の常識が、今の非常識だったりすることはいくらでもあります。

時々、ニューロマスキュラーがそんなにいい治療なら、歯科医師のみんながやってるはずだと言われることがあります。
すぐに浸透しないのには、以前の考えから頭を切り替えるのが大変だということもあるかもしれませんが、ニューロマスキュラー治療の良さはわかっても、治療に必要な機器が大変高くて(高級車の値段です)導入できないというのが7割くらいの理由のようです。
私のように卒後すぐに、この高額で、噛み合わせ治療を客観的にビジュアル化できる唯一の機械を扱わさせてもらえる歯科医師なんてそうそういません。本当に恵まれていて、感謝感謝です。


アメリカでニューロマスキュラーコンセプトが受け入れらる過程でもいわゆる、政治的な、妬みも絡んだ話がたくさんあります。今では、ニューロマスキュラー治療に欠かせないマイオモニタとK7はアメリカ歯科医師会とFDA(アメリカ食品医薬局)にも顎関節治療に効果があるとお墨付きをもらっています。それで、患者さんにも、ニューロマスキュラー治療と言うのは良いものだと広く知られるようになってきているのですが、今度は、ジャンケルソン先生のやり方から離れているのにもかかわらず、ニューロマスキュラーの名前を使って治療する「なんちゃってニューロマスキュラー」な歯科医も出てきているようです。


アメリカでニューロマスキュラーが広く知られるようになったひとつに、ニューロマスキュラー治療で作ったマウスピース(アギリティーガードという商標でチャン先生のグループが作成しています)を一流のスポーツ選手(オリンピック選手など)が装着して、成果をあげていることです。論文などでは、このマウスピースは筋力や瞬発力を1割アップさせると言われています。

マウスガードにはパフォーマンスの改善には効果がないとか、非装着と比較して有意差がないという論文も見受けられますが、いつも咬んでいる位置から模型上で数ミリ高くしただけの「最適でない」マウスガードなら、かえって力が出なくなっても不思議ではありません。


ニューロマスキュラーのマウスガードと普通のマウスガードとの違いは、顎の位置です。

下顎と言うのは、頭蓋骨に、靭帯と筋肉でぶら下がっているものなので、6次元的に動きます。まず、上下、前後、左右、さらに、飛行機の用語になるのですが、ピッチ(飛行機の尖端が下か上に向かう状態)、ヨウ(飛行機の尖端が左右に振る状態)ロール(飛行機の羽が左右に傾く状態)です。


個人個人に筋肉、神経的に一番安定した、生理的な下顎の位置というのが存在します。それをコンピューターで下顎の運動をモニタリングしながら、低周波治療器を使って三叉神経と顔面神経に刺激を与えて、咀嚼筋群に不随意の等長性の運動を起こさせて、その個々の「最適な」下顎の位置を見つけ、その位置でマウスピースを作ると言うのが、ニューロマスキュラーコンセプトです。

1つ選手の声を紹介します。
Dotsie Bauschという2102年ロンドンオリンピック自転車チームパシュートの銀メダリストがアギリティーガードを使っている感想を2012年のオリンピック前にこう言っています↓(原文はこちら

AgilityGuardは私の秘密兵器です。これまで口や顎の問題は何もなかったので、AGがパフォーマンスを向上させるか疑わしく思っていました。コーチは必要だと確信していたので、コーチを信じることにしました。今6週間AGを定期的に装着して、(ウェイトトレーニングとインターバルセッションのバイクの両方で)その結果に魅了されています。まず、一つ目に、バランスと重心の感覚がはるかに改善されていることに気付きました。これはもともと苦労していたことではありませんでしたが、今は自転車やペダルに自分が"植え付けられた"ように感じ、自分の腰の重さが1000ポンド(約450Kg)もあって、何ものも自分を中心からずらすことができないかのように感じます。それくらい安定しています。二つ目に、自分のトレーニングについて、以前とは違う冷静さを感じます。AGが口の中にあると、スムーズでコントロールされ、落ち着いた自信を持っています。精神を集中させることができ、行き詰まったり、パニックになったりしません。 AGの装着前は、最後の数回のリフト、または最後のインターバルに入るとき、ストレスと不安を感じ、セットを最後までやりきれないかもしれない、もしかしたら、少しもできないかもしれないと心配になりました。今ではAGがあるので、1日のトレーニングを終えた後でも、いつもでも、もう一つ余分にインターバルやセットができるような気がします。これはすごい。私はAGの大ファンで、AGなしでパフォーマンスはしません。オリンピックに持って行って、他の多くのスポーツ選手に勧めるのが待ち遠しいです。ありがとうAG!


日本でも、ニューロマスキュラーが広く浸透してくれる日が待ち遠しいですし、私が何か果たせる役割がないだろうかと、スポーツ界の方々とコンタクトをとっている最中です。きっと、いいお知らせができる日が来ると信じています!
コメント
チャン先生のセミナーでご一緒させていただきました
初心者ですので今後ともよろしくお願いします
  • 泉田尚宏
  • 2017/10/05 10:26 PM
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